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2025.03.11
許認可 ・ 朝風のドア

農地転用と農振除外(その1)

こんにちは!

 

弊所では様々な許認可申請を取り扱っていますが、

今日はその中のひとつ農地転用についてお話していきたいと思います。

 

農地転用とは、「田」や「畑」といった「農地」を宅地や雑種地などの「農地」以外のものにすることを言い、

農地法で県または市町村の許可が必要と定められています。

「自分の田んぼなんだから家を建てようが、車を停めようが勝手じゃないか!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

許可を得ずに「農地」を「農地」以外のものにすると農地法に違反します。

 

農地転用の許可申請にあたり、まず、おさえておかなければならないのは、

転用したい農地が農地法上どの農地に位置づけられているのかということです!

農林水産省のHPがわかりやすいので、ご確認ください。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/attach/pdf/nouchi_tenyo-29.pdf

 

農地には5種類あり、それぞれに許可基準が定められています。

1 農業振興地域内の農用地…原則、転用不可

2 甲種農地…原則、転用不可

3 第1種農地…原則、転用不可

4 第2種農地…代替地がない等の場合、転用可能

5 第3種農地…原則、転用可能

 

1から順に転用の難易度が低くなっていきます。

それでは詳細をみていきましょう。

 

1 農業振興地域内の農用地区域

農業振興地域とは、今後も農業を続けていく土地、守るべき優良な農地として各県でエリアを定めたものです。

農業振興地域は、「農用地」と「非農用地」に分けられます。

「農用地」は先ほども記載したように、守るべき農地なので、基本的には農地転用ができません。

例外として、農業用倉庫など営農に必要な場合は転用可能となります。

 

また、「農用地」を「非農用地」に変更する手続きをすることで転用可能となる場合があります。

この手続きを「農振除外」といいます。

農業振興地域の農用地から除外する、ということですね。

農振除外後、非農用地となった農地は2~5の農地種別に区分され、やっと農地転用の申請ができる土台にのります…

 

つまり、転用を検討している農地が農用地区域にある場合、ひとつ手続きが増えるということです。

 

ただし、誰でも簡単に農振除外できるわけではありません。

(誰でも簡単に農振除外できたら、そもそも守るべき農地として制限をかけた意味がなくなってしまうので💦)

 

農振除外の要件は6つあるのですが、一番重要な要件が、

農用地区域以外に代替すべき土地がないこと

という点になります。

 

要するに、なぜその農地を使いたいのか、その農地でしかできない理由を説明しないといけません。

 

ここで気を付けたいのが、

実際に土地を購入するときにありそうな「安かったから」、「知り合いの土地だったから」等では理由にならないということです。

 

たとえば、

育児を手伝ってもらうために実家の近くに家を建てたいけど、実家周辺は農地しかないからやむを得ず…とか、

工場を増築したいけど、工場の隣は農地だから…等が代替すべき土地がない理由として認められることが多いです。

これについてもなぜ増築したいのか、実家の敷地内に家を建てられないのか等、結構細かいことを県や市に文章で説明していかねばなりません。

 

この文章をご自身で作成するのはなかなか大変だと思います。

また、県や市から何度も内容の修正指示があるので、この点もかなり手間になってくると思われます。

 

さ、ら、に

土地改良区や地元生産組合、場合によっては町内会、隣地の所有者さんから除外の同意を得てハンコをもらったりと、いろいろ調整が必要になってきます。

 

さらに、さらに、

農振除外は時間のかかる手続きでして、富山市の場合、農振除外を市へ提出してから転用の許可がおりるまで約半年といわれています。

 

これだけ手間と時間のかかる手続きを個人でやるのは相当な労力です。

なので、行政書士へ依頼される方がほとんど、いや、100%に近いのではないでしょうか。

 

農振除外のご相談も受付けておりますので、

農用地区域の転用をお考えの方はお気軽にご連絡くださいね。

(農用地区域に該当するか分からない方でもご相談は可能です。)

 

長くなってしまいましたので💦

農地転用については、また後日のブログでお話ししたいと思います。